「工程チェック表」を使いこなす
私は、かつて求人広告の営業に携わっていました。
締め切り直前になると、一文字のミスも許されない状況で、原稿を作成し、他のお客様に確認を取る、同時並行して、他のお客様の申込書(契約書)を登録係に提出する、といったことを日常的にやっていました。
まさにマルチタスクですが、入社したての新人もできていました。
「工程チェック表」があったからです。
「何が、どこまで済んでいる」のかを書き留めておくことで、覚えておく必要がなくなり、ワーキングメモリを解放することができます(パーキングロットと同じ考え方です)。
そうすることで、熟達せずとも、熟練の技術が不要なタスクの場合、マルチタスクが可能になるのです。
締め切り間際など、どうしても、マルチタスクを“やらねばならない”時もあるでしょう。その時は「工程チェック」表を用意する作戦も有効です。
「エネルギー予算」という考え方
サウスダコタ大学の行動経済学者X・T・ワンと心理学者のロバート・ドボルザークによって提唱された「エネルギー予算」という考え方は、より集中力を高めるヒントを与えてくれます。考え方は次の通り。
・集中力の源となるエネルギー(意志の強さ)の量は、予算と一緒。
・なので、エネルギーがある時は、フルスロットルで集中して作業できる。
・しかし、疲れてきたら、お金を節約するように節約モードに入ってしまう。
だとしたら、より集中力の高い状態で仕事をするなら、“いつ”がいいのでしょう。
1日の中でまだ、「意志(エネルギー)」を消耗していない「朝」が、というわけです。
私もそうしています。やはり、夜より、朝。
ちなみに、この執筆をしているのは、朝の4時45分。「よし、明日は集中して執筆をしよう」と決め、前日は21時に就寝しました。いつもより早く起きて、執筆しています。
実際、早朝だと、他に何の作業もしていませんので「意志(エネルギー)」は満タン。今なお、BGMをかけることなく、無音の中で没頭して書き続けています。
朝が苦手なら、早朝でなくてもOKです。
「意志(エネルギー)」を消耗していない、”午前中”に集中したい作業をするといいでしょう。