伊藤忠商事の生産性が5.2倍になった理由
伊藤忠商事のホームページに奇跡のような情報が載っています。
2013年に朝型勤務を取り入れたことで、生産性が5.2倍(2010~2021年)になったというのです。聞いたことのない数字です。
さらに、日経ビジネス(2022.10)の記事にも、伊藤忠商事の奇跡が載っていました。
「朝型」を取り入れたことで、1人の女性が何人の子供を産むのかを示す「合計特殊出生率」が、2005年は0.60だったものが、2021年は1.97に急進した、というのです。
・20~22時の勤務は「原則禁止」、22~5時は「禁止」。残務は翌日朝へシフト。5:00~8:00が朝型勤務の推奨時間。
・7:50以前に勤務を開始した場合は、深夜勤務と同様の割増賃金(25%)を支給。
まさに、生産性を高めたからこその結果でしょう。
たしかに、「朝型」を実践すると、ケタ違いの集中力を維持できることに驚かされるものです。ぜひ、トライしてみてください。
「夜型」か「朝型」かは個人差がある
先ほど「朝」の方が集中できるとお伝えしました。
でも、実は個人差があります。
集中力を維持する上で、大事なことは、自分が「朝型」なのか「夜型」なのかを把握することです。その上で、残務がある場合、「翌朝に回した方がいい」のか「むしろ、このままやり続けた方」がいいのか、自分のガイドラインを持つことが大切です。
年齢によっても変化するのはたしかですが、実は、朝型か夜型かを決めるのは遺伝子が関係しています。この個人差を「クロノタイプ」と言います。
東京医科大学のホームページに興味深い研究論文が紹介されています。
・朝型の人は、就寝時間が遅いと、生産性が低下する。
・夜型の人は、起床時間が早いと、生産性が低下する。
さらに、こんな記述も。
・朝型の人が、「夜間勤務」を行ったり、夜型の人が、「早朝勤務」を行うような、クロノタイプに反した就労などを行うと、発がんリスクの上昇や死亡率の上昇など、様々な健康上の問題が生じる。
「午前中の生産性が高い」「時間管理が得意」という人は朝型ですし、「夕方からエンジンがかかる」「集中力が夜になっても持続する」ということであれば、夜型と考えるといいでしょう。