集中力高く仕事を効率的にこなすにはどうすればいいか。研修会社らしさラボ代表の伊庭正康さんは「われわれの脳は、ワーキングメモリの容量が小さいため、『1つのこと』しかできない仕様になっている。そのため、同時に2つのことをすると、キャパオーバーになり、『ミスの確率が高くなる』『仕入れた情報を活かす能力が低下してしまう』という状態に陥る。さらに、複数のことを同時に処理すると、ストレスホルモンである『コルチゾール』の分泌が促され、ネガティブな感情になることもわかっている」という――。

※本稿は、伊庭正康『やる気ゼロからフローに入る 超・集中ハック』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

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“ベストを尽くせ”より「具体的な目標」を

どんなタスクでも、“中だるみ”は起こります。

対策は、「いつ、何をするのか」を明確にしてから着手すること。

そうすることで、あたかもドミノ倒しのように、次々とタスクを処理できるようになります。

アメリカの心理学者ロックが提唱した「目標設定理論」は参考になります。

この研究では、“ベストを尽くせ”といった「曖昧な目標」より、「具体的な目標」を設定した方が、難易度の高いことでも完遂できることが確認されているのです。

例えば、30ページ分の分厚い企画書を作成するとしましょう。

なかなかの重労働です。気を抜くと、締め切りまでに間に合わないかもしれません。

さて、次のAさん、Bさんのどちらが、確実に仕上げられると思いますか?

Aさん:
「今週中に終える」と期限を明確にした上で、着手する。
Bさん:
月曜、業界の情報をネットで調べる。
火曜、ネットでは得られない情報を先輩に教えてもらう。
水曜、作成に着手。15ページを完了させる。
木曜、残りの15ページを作成。
金曜、確認をした後、お客様にメールを送る。
と決めてから着手する。

この場合、正解はBさんというわけです。