小池知事に関しては、相も変わらず学歴詐称問題が付きまといますが、あれも僕に言わせれば「信頼度1」か「2」でしかない。信頼度5や4や3の情報によって「カイロ大学を卒業していない事実」が現在確認できているわけではないのです。逆に信頼度4や3の情報によれば、カイロ大学はすでに小池さん卒業の事実を声明発表しています。卒業していない疑惑情報は「信頼度2」の週刊誌や書籍からしか出されていません。

蓮舫さんについても、かつての台湾と日本の二重国籍問題が蒸し返されるかもしれませんが、いずれにせよ東京都知事選では本質的な問題ではありません。一番大切なのは、「どんな都政にしたいか」のビジョンの部分です。

その意味では蓮舫さんが前面に打ち出す「反自民・非小池都政」のスローガンも本質的ではありません。いま国民の怒りの標的となっている自民党と小池さんを結びつけたほうが有権者の嫌悪感を引き出せると考えたのでしょうが、そもそも都政と国政は別物です。

ただの娯楽か、信頼できる情報か

情報社会で一番大切なのは「自分軸」を持つことです。「自分は何を求めて情報の海を泳ぐのか」の意識をしっかり持たなくてはなりません。都知事選なら「どんな東京都で暮らしたいのか」がセンターピンで、それを知るには立候補者の公約、都政ビジョンを見るしかありません。そのほかの諸々の情報はあくまでも従たるもの。

ところが、公約を読むのは退屈だから、どうしても周辺のネット情報に関心を持つ人が多くなります。「信頼度5」や「4」の情報は得てして退屈です。逆に言えば、面白い情報やワクワクする報道は、「信頼度1」か「2」であり、場合によってはテレビの「信頼度3」の番組でも疑ったほうがいいでしょう。

デジタル社会において、僕らの脳は“面白ホルモン”分泌にハックされています。目の前に流れるドキドキ・ハラハラ・ドロドロな情報に脳を奪われ、指先一本で次々にクリックしていく。でも、そこに僕らが本当に求めるべき真の「情報」はありません。あるのはただの娯楽であり、クリックするたびにチャリンと儲かるデジタル事業者のほくそえみだけです。

言うまでもありませんが、「選挙」は明日の僕らの生活に直結します。ネット情報によれば、週刊誌情報によればというのではなく、しっかりと公約を吟味したうえで投票する候補者を選んでいくべきでしょう。

その公約にしても、候補者がいい加減なことを言うことも多いので、できれば信頼度5のデータや、退屈に思われるかもしれない信頼度4の新聞記事によって、事実確認をしながら判断したいものです。

まあ政治家を選ぶ際の一番のポイントは公約以上に、口だけでない「実行力」なんですが、これも信頼度5や4や3の情報から、候補者がこれまで何をやってきたかをしっかりと見ていただきたいと思います。公約で理想を掲げるだけなら簡単ですからね。

遠からず、衆議院総選挙も行われるはずです。どうか周辺の取るに足らない信頼度1や2の“情報”に踊らされることなく、「この国はどうあるべきか」「この候補者や政党は実行力があるのか」というセンターピンの情報を信頼度5や4や3のところから取得し、判断をしてください。

(構成=三浦愛美 撮影=的野弘路 写真=時事通信フォト)
関連記事
小池百合子氏の「カイロ大卒業」に問題はないのか…しつこく「学歴詐称」を指摘される女帝の光と影
「予想外の結果」になる可能性が高まった…都知事選「最新の情勢調査」で見えてきた"勝敗を分ける要素"
マスコミは「小池氏リード」を報じたが…都知事選「序盤の情勢分析」が示した"立憲共産党"の意外な効果
ポスト岸田「1位石破茂、2位上川陽子、3位小泉進次郎」は大ウソ…自民党支持者だけに聞く「次の首相」ランキング
橋下徹「マイナス情報ばかりが目立つ『大阪万博』。本当の意義はここにある!」