「○○」をすれば、お客様はあなたに頼りやすくなる

でも、こう思いませんでしたか。

そう簡単に、お客様は頼ってくれるのか……と。

大丈夫です。実は、簡単。

鍵は、普段から「営業以外」の話をすることです。

つまり、雑談をしてください、といった簡単な話です。

先日、ある営業の方とこんな会話をしました。

私「個人カードから法人カード(クレジットカード)に切り替えようと思っているんですよ」
営業「どうしてなんですか?」(※彼は、クレジットカードの営業ではありません)
私「経費精算が面倒で……」
営業「どこのカードにされるのですか?」
私「どこがいいのか、わからないんですよね。何か情報あります?」
営業「では、お客様や社内で聞いてみましょうか?」
私「それは助かります」

なんと、その日の夕方にメールが送られてきました。

そのメールには、こう書かれていました。

「聞いたところでは、ポイント還元を狙うならココがいいようです。

付帯サービスを狙うならココがいいとの声がありました。

加えて、口コミサイトのURLも添えますね。ご参考になれば幸いです。

加えて、前者のカード会社ですと、社内のネットワーク(人脈)を使って、営業担当のご紹介もできますので、おっしゃってください」

いかがでしょう。

私が信頼を寄せる理由を感じていただけたと思います。

ちなみに私は、ご紹介をいただき、前者のカードに入会をしました。

写真=iStock.com/veerasakpiyawatanakul
※写真はイメージです

営業ほど、多くの人と会っている仕事はなく、ネットワークを使えばお客様の知らない情報を簡単に集めることもできます。

加えて、同僚が知っている情報ネットワークを駆使することができるのも営業の特権です。

「いったん、あの人に聞いてみよう」と思ってもらえる存在になれると、営業が断然おもしろくなります。

まずは、雑談をしてみましょう。

「できません」「難しい」と断ると二度とチャンスはこない

お客様は神様、というわけではありません。

「値引きをしてほしい」「納期を急いでほしい」

といった要請を受けることはないでしょうか。

お客様からの要請とはいえ、不利な条件で契約をしてしまうのはどうかと思うのです。

だからといって、「できません」「難しいです」と断ってしまうと、二度とチャンスはなくなります。

まさに、前回のクリニックはこのケースでしたよね。

では、営業としては、どうするべきなのか。

前回のクリニックの事例では「できることは精一杯する」と申しました。

もう少し、具体的に説明しますね。

「Noを言わずに、代替策を示す」、このパターンを詳しく解説しましょう。

まず、最初にやってはいけないパターンを紹介します。

無茶な値引きを交渉されたシーンを見てみましょう。

営業「1個200円でいかがでしょうか?」
お客様「高すぎだよ。100円だったら検討するけどね。できる?」
営業「ええ、それは厳しいです……」
お客様「じゃ、いくらならできるの?」
営業「ええ……、190円でいかがですか?」
お客様「じゃ、ダメだね」
営業「ええ……、では、180円ではいかがでしょう?」

この商談は、みごとに交渉の罠に引っかかっています。

この罠を、「二分法の罠」と言います。

二分法の罠とは「できるか、できないか、どっち?」といったように、答えを「はい、いいえ」と迫られてしまい、不利な状況に追い込まれること。

これでは、とても頼られる存在にはなれません。

まさに“業者扱い”です。