思い通りにいかなくても偶然から人生は好転する

「プランド・ハップンスタンス・セオリー」という理論があります。

先に断っておくと、この理論は科学的に証明されたとまでは言えないものです。

堀田秀吾『世界の研究101から導いた 科学的に運気を上げる方法』(飛鳥新社)

ただ、その他の研究などを踏まえると、一定の説得力はあると私個人が考えているのと、好奇心とセットで考えれば、運気を上げたいみなさんの気持ちを少し軽くできるのではないか……と考えています。

プランド・ハップンスタンス・セオリーは、「計画的偶発性理論」などと訳される、心理学者・教育学者のジョン・D・クランボルツが1999年に提唱したキャリア理論です。

その名のとおり、偶発性を重要視して、計画的に偶然が起こるようにキャリアを形成していく――というもので、クランボルツはキャリアのターニングポイントの8割は、偶然によるものとしています。

ですから、「今、自分に見えている選択肢がすべてではない」と、みなさんにお伝えしたいのです。

目指していた職業に就けなかった。

志望校に入れなかった。

そんなことがあったら、自分の人生が失敗してしまったかのように感じてしまうかもしれません。

ですが、人生はまだまだ先があります。

そこで諦めてしまわずに、その場その場でベストを尽くせば、思わぬ偶然に引っ張られて、想像もつかない形で人生が好転しはじめる可能性だってあるのです。

偶然が生まれやすくなるように行動することが重要

特に、現代のような、変化があまりにも早く大きくなっている時代では、あるときに考えた自分の10年後のキャリアが、実際に10年経ったときに魅力的なものでなくなっている可能性もあるわけです。

自分に見えていない可能性、選択肢を常に意識しておくことは、リスクヘッジにもなるんですね。

さらに、クランボルツは偶然を主体的に活用することと、意識的に偶然が生まれやすくなるように行動することが重要であるとしています。

つまり、「ただ偶然に身を任せる」のではなく、

(1)偶然起こった出来事を自分のプラスにできるような努力をする
(2)偶然が起こりやすい生き方をする

この2点を意識することが、プランド・ハップンスタンス・セオリーのポイントになるのです。

好奇心をもって、偶然を味方につける――。

そうすれば、科学的に運気を上げることができるのです。

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