- 【第1回】シチューの日にわが子の"能力"がわかる…医学部合格者が急伸の豊島岡女子学園校長「自分で考える子の育て方」
- 【第2回】「学年の半数超」が東大京大合格…灘校長が語る「世の不条理と対峙するために小学生で経験してほしいこと」
先が見えない不確かな時代、子供が夢をかなえために親がしてやれることは何か。「プレジデントFamily」編集部が日本代表する難関中高一貫校や名門公立高校などの校長に取材した。わが子が小学生のうちに絶対やるべきこととは何か。第3回は、東京大学合格者数の高校別ランキングで43年連続1位の開成高校の校長・野水勉さん――。(第3回/全4回)
※本稿は、『プレジデントFamily2024春号』の一部を再編集したものです。
開成中学校・高等学校校長 野水 勉先生
好奇心の芽が見つかる外遊びをしよう!
この開成中学・高校で子供たちを教えている先生たちが異口同音におっしゃることがあります。
困難に直面したときに、「何とか乗り越える方法はないか」と立ち向かっていこうとする生徒と、ただただ困難に打ちのめされてしまう生徒に二分されるということです。二者の違いは、「自分で考える力」を持っているかどうかだと私は考えています。
「自分で考える」という経験が不足していると、困難に直面したときや困難が予想されるときに、行動を起こすことができません。小さいうちは教師や親のサポートによって何とかなりますが、成長し、自分の夢に向かっていく道のりの中では、そういった支援を受けられるとは限りません。自分で何とかする力が必要です。
また、自分で考えずに他者からの指示を受けて行動するということは、誰かの言いなりになるということであり、場合によっては扇動されてしまうことでもあります。さまざまな問題が起きるであろうこれからの社会を生きていくうえで、非常に危険なことです。
では、「自分で考える力」を養うために小学生のうちにやっておくべきことは何か。私は「自分の好き」を見つけ、夢中になることだと思います。
人は誰しも、好きなことには積極的に取り組みます。しかも簡単に満足しません。誰かから指示を受けなくても、「あれもやってみよう。これも試してみたい」と発想を広げます。たとえなかなかうまくいかなくても、そう簡単にあきらめたりはしないでしょう。考えに考えて、解決策を見つけるはずです。