頭がいいとは何か。外山滋比古氏の『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)によると「教える側が積極的すぎて、親切すぎて、学習者を受け身にしてしまっている」という。現役東大生の西岡壱誠さんが本書を紹介する――。
東大生・京大生の「弱点」を見事に言い当てる
みなさんは、外山滋比古著『思考の整理学』を読んだことはありますか? 『思考の整理学』は、東大・京大の生協の売れ筋ランキングで1番になることが多い本であり、東大生と京大生のバイブルになっています。
東大生の友達でも「この本が今まで読んだ本の中で一番好きだ」という人も多いです。ただ、恥ずかしながら自分は、東大に入ってから長いことこの本を読んだことがありませんでした。
大学3年生に入ったあたりで、「有名だし、読んでみようかな」と思い立って、ある休日に一気に読んでみました。そして、「そりゃ、バイブルになるのも納得だ」と感じたのです。
この本を読む前は、「何がそんなに東大生・京大生の心を掴むんだろう? そんなに有益な情報が書いてあるのかな?」と不思議に思っていたものですが、この本を読んでその疑問は氷解しました。
読んでいて、「そりゃ、人気になるわ!」と思わず口に出してしまいそうになったほどです。本書は、東大生・京大生のような、学校教育を真面目にコツコツ積み上げてきた人たちの「弱点」を見事に言い当てて、その弱点を打破するための方法を教えてくれるものだからです。