舌を鍛えるとアレルギーやいびきが緩和

しかし、ある尊敬できる歯科の先生と出会い、私の世界観はガラリと変わりました。

桂文裕『舌こそ最強の臓器(舌ストレッチ動画付き)』(かんき出版)

その先生は、子どもの歯の矯正治療を、特別な器具を使わずに行っていました。歯並びを全身の問題と捉え、日頃の姿勢やクセを修正しながら舌を鍛えて、歯並びを少しずつ良くしていくという方法を取られていたのです。

私が驚いたのは、その矯正法を続けていくうちに、舌の位置や噛み合わせが変わるだけではなく、感染症、アトピー、発達障害といった症状までも改善するケースが数多く見られたことでした。

舌を鍛えることは、子どもだけではなく、大人にも通じる健康法であると直感し、その矯正法を舌専門医の立場からアレンジして、患者さんに試してみました。すると、多くの患者さんにアレルギーやいびきといった全身症状の緩和が見受けられたのです。

早くて7日間で効果が出る

そのエッセンスが、「舌ストレッチ」。舌を「ほぐす、もむ、のばす、まわす」という、誰にでもできるカンタンなストレッチです。

舌ストレッチの狙いは、大きく次の2つです。

①落ち舌を改善させ、鼻呼吸を習慣化する
②舌の可動域を広げ、舌力を上げる

「舌ストレッチ」は早くて7日間、遅くとも1カ月間、毎日行うことで効果が現れてきます。舌は血流が多く、新陳代謝のスピードも速いため、変化が出やすいのです。

舌の動きが良くなり、血色が良くなったら、舌ストレッチが効いてきた証拠。なかには、舌についていた歯型が消えたり、腫れぼったい舌がシャープな形になったりする人もいます。

うれしい変化はアンチエイジングや美容効果にも及びます。なぜなら、舌とともに表情筋なども鍛えられて、顔面の血液やリンパの流れが良くなるためです。