「無邪気に質問する」はシャイな人の特効薬に
「自慢話をするなと言われると何を話せばいいかわからない。失敗談もうまく話せるかどうか……」
「そもそも、この年になって新しい友人や人脈を作るために会話するのが億劫だ」
そう躊躇する方もいるかもしれません。
では、そんなシャイなあなたの特効薬になり、また、年齢を重ねたからこそ、初対面の人とのコミュニケーションでぜひ意識してほしいことが1つあります。
「無邪気に質問する」ことです。
歳をとると口数が少なくなる人は多いものです。
若い頃よりも、蓄積した知識はあるのですが、脳のインデックス(検索)機能が衰えるため、今すぐ口にしたい言葉を思い出せなくなり、会話の瞬発力がなくなることが理由の1つ。
とくに相手が若者であったりすると、自分の知らない話題についていくのが大変になることもあるでしょう。
しかし、コミュニケーションをとるときに、無理にこちらから話す必要はありません。話す言葉が見つからなかったり、知らない話題があったりしたときは「わからないので、教えてもらえますか?」と無邪気に質問するのです。
歳を重ねてもはつらつとして若々しい人に共通の特徴
私は医師として、高齢者を中心に多くの患者を診てきました。
また、ある程度年齢のいった経営者や文化人の方々とも多くつき合っています。
こうしたシニアの中でも、歳を重ねてもはつらつとして若々しい人の特徴は、とにかく質問好きなことなのです。
質問は興味、関心がなければ浮かびません。好奇心がなければ、興味、関心も湧き立たない。つまり、多く質問をする人というのは、興味、関心を司る前頭葉が活性化している証拠でもある。
だから、年齢よりもずっと若々しく見え、また質問を重ねることで、さらに前頭葉を活性化させているのです。
経営の神様といわれた、パナソニックの創業者、松下幸之助さんもとにかく周りの人に質問したそうです。「あれはどうなってるんや?」「最近話題のあの人は、どんな人や?」「新しく出たあの商品は、何がええんや?」といった具合です。
相手が自分の孫ほどの年齢でも屈託なく、とにかく聞いて回った。また、自分より年上、しかもかの経営の神様に質問されて、それに答えるのは若い人たちにとっても刺激的で、うれしかったに違いありません。
そう、自分が知っていること、詳しいことを聞かれて、答えるのはとてもうれしいものなのです。