「何もしないこと」で、じわじわと朽ちていく
最も損をしない行動とは何でしょう?
それは「何もしないこと」です。
現状を維持し、新しいことをせず、一歩たりとも踏み出さない。
交通事故が怖いならば、外に出なければ安全です。コロナのときも外に出ない人が激増しました。
損をするのが嫌ならば、投資になんて手を出さなければお金は減りません。
新規事業や画期的な商品やサービスで失敗するのが怖いなら、これまでどおりの事業やサービスを続ければ、大丈夫でしょう。
しかし、外に出なければ、美しい景色や新しい経験や、すばらしい人や土地や食べ物やその他もろもろとの出合いは著しく制限されます。
株式投資や投資信託などに見向きもせず、給料を預貯金するだけでは、このインフレの時代になかなか生活を上向かせたり、老後に安心を得たりするのは難しそうです。
旧態依然としたビジネスを続けた結果、イノベーティブな商品やサービスが日本からほとんど出なくなり、国際競争力が極めて下がっているのはご存知のとおりです。
選挙になると、みんなが損失回避をしたいから、「前職者でいいや」と与党に投票し続けている。別の政党が政権をとって悪くなる可能性があるなら、今のままがいいということです。
さらに、損したときのことを考えたくないから、がん検診を受けても、がんが見つかったときのことを考えるのを避けるわけです。
そして政治も世の中も変わらないまま、じわじわと朽ちていく。
ノーリスク・ノーリターン。
何もしないリスクと何かするリスク。本当のリスクはどちらなのでしょうか?
30年間成長のない日本経済ですが、前より生活が悪くなっているわけではありません。その代わり、韓国や台湾などにどんどん追い抜かれているのです。