微生物が物質を変化させるときに使う「道具」が「酵素」
酵素は、生き物の体内で生み出されますが、そのすべての働きを紹介すると辞書1冊分程の量が必要になるため、発酵に関わる酵素、その中でも代表的なものだけを取り上げましょう。
代表的な酵素の1つに、「アミラーゼ」があります。
この酵素は、私たちの唾液にも含まれており、口の中に入っているデンプンを糖に変える働きをします。
さて、発酵とは「微生物の活動によって物質が変化すること」とお伝えしてきましたが、微生物が物質を変化させるときに使う「道具」が「酵素」なのです。
デンプンを分解して糖にしている
アミラーゼがデンプンを糖に変えるという現象を詳しく見ていきましょう。
デンプンは高分子化合物と呼ばれる物質です。高分子とは簡単に言えば、他の物質よりも大きいものを指します。
人間が体内で消化するには大きすぎて取り込めないため、デンプンを小さく壊す必要があります。そのためのペンチやハサミのようなものが、酵素なのです。
つまり、酵素であるアミラーゼは、高分子であるデンプンを分解して糖にし、体内に取り込めるようにしているわけです。
こうして、食べ物を体内に取り込んでいくプロセスを「消化」と言います。
実際にパンやご飯を噛んでいると、だんだんと甘くなってきますが、唾液の中のアミラーゼがリアルタイムで口の中のパンやご飯のデンプンを糖に変えているからです。
人間は高分子のデンプンのままでは味を感じることができません。糖になって初めて甘味を感じることができます。