食べ物で免疫力を上げるにはどうすればいいのか。発酵食品に詳しい作間由美子さんは「発酵食品を取り入れるといい。あまり知られていないが、特におすすめの発酵食品が2つある」という――。
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写真=iStock.com/Urupong
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日本が世界に誇れる発酵大国である3つの理由

「発酵食品はおいしいだけでなく、健康と美容にも優れた効果があるもの」というのは、ここ最近の常識になりつつあります。わたしが講師を務めている日本発酵文化協会にも、そういった発酵の優れた「効果」を取り入れたいと、老若男女を問わず講座に人々が訪れます。

金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)
金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)

そこで、「どんな発酵食品を知ってますか?」と尋ねると「ヨーグルト!」と答える人がダントツ。ヨーグルトはたしかに有名な発酵食品ですが、日本にはそれ以外にもたくさんの発酵食品があります。

数年前には、世界ナンバー1のレストランと言われている、デンマークのノーマから、日本の発酵を学ぶためにシェフが来ていたほど、日本は世界に名だたる発酵大国なのです。

彼らに日本の発酵の仕組みを教えると、「こんなに素晴らしい発酵の技術があるのに、それに注目しないなんて、なんてもったいないんだ!」とみなさん驚いています。

そして東京・飯田橋にINUAというレストランを作り、その発酵技術を思う存分使い、日本人では考えつかない発酵食を自ら生み出しています。

日本が世界に誇れる発酵大国の理由は、大きくわけて3つあります。1つめは、地理的な要素。日本は島国で食材が限られているため、昔から保存や備蓄の知恵が備わってきたということ。

2つめは、気候的な要素。四季に応じて寒暖の差があり、なによりも湿度があることが、発酵に最適な環境なのです。近年は猛暑や季節はずれの台風など、気候がおかしくなっていると言われますが、それでも他国と比べれば一年を通して穏やかです。

そして、3つめは、日本人の気質的要素。他国では、ただ放って環境任せで発酵をさせていることが多いのですが、日本人はきちょうめんで、物を丁寧に扱い、管理します。奈良時代や平安時代の寺院がまだ存在しているのと同じように、発酵食品も、日本の気候、日本人の気質に沿って、日本人の体に合った食べ物として、長い間生き続けています。