定義は「臭くてしょっぱい」
とはいえ、どれが発酵食品かわからないという方もいるでしょう。
ざっくり定義すると、臭くてしょっぱいもの。
もちろん、甘い発酵食品もありますが、臭くてしょっぱいものは、ほとんど発酵食品です。
みそやしょうゆも、わたしたち日本人は「臭い」とは感じませんが、海外の方からすると独特の、強烈なにおいがするようです。
以前、「日本人に家を貸すと、ソイ・ソースの臭いが染みつくから」と断られることもあったとある駐在員の方からうかがったことがあります。
わたしたちには香ばしいと感じるしょうゆの香りも、なじみのない人には臭いと感じるのでしょう。
おつまみの定番「塩辛」も発酵食品
いくつか、臭くてしょっぱい発酵食品をご紹介します。まず思い出すのがくさや。くさや液という発酵し続けている液につけて干すことでおいしくなる干物です。
ほかにも、魚つながりでいうと、へしこ。魚のぬか漬けで、北陸の郷土料理として、知られています。福井県三方郡美浜町のゆるキャラ「へしこちゃん」でご存じの方もいるかもしれませんね。へしこちゃんはサバですが、ほかにもイワシやフグのへしこもあります。
北海道では、ニシンやサンマのへしこがあり、北前船によって北陸から北海道へ伝わったといわれています。
ふつうに魚のように焼いてよし、あぶってお茶漬けにしてもいいし、酒のさかなにももってこい。新鮮であればお刺し身でも食べらるという優れものです。
また、意外と発酵食品として知られていないのが、塩辛。イカの塩辛が有名ですが、魚介類の身や内臓などを加熱せずに塩漬けにすることで出来上がります。なので、地方によって、さらには国によってさまざまな塩辛が作られています。
へしこや塩辛は、それだけでおつまみとして食べても楽しめますが、近年では日本食以外にも、スパゲティやサンドイッチなど、洋食の具としても使われています。
意外に感じられるかもしれませんが、その濃厚なうま味は、やみつきになるほどです。ぜひ一度試してみてください。