アミノ酸になることでうま味を感じることができる
ちなみに、1つの反応に対して1つの酵素が専用に働きます。
デンプンを細かく切るのはアミラーゼですが、アミラーゼがタンパク質を切ることはできません。
一方で、タンパク質を切る酵素であるプロテアーゼがデンプンを切ることもできません。
プロテアーゼはタンパク質を切ることでアミノ酸に変化させます。アミノ酸になることで、人間はうま味を感じることができるようになります。
この、デンプンを糖に変えるアミラーゼ、タンパク質をアミノ酸に変えるプロテアーゼが、発酵に関わる酵素としては代表格ですが、他にも脂肪を分解するリパーゼ、繊維質を分解するセルラーゼなど、様々な酵素があります。
35~40度で活溌になるものが多い
また、酵素は特定の環境でしか働くことができません。
温度としては、人間の体内で働く酵素は体温と同じくらいの35~40度で活溌になるものが多いです。
環境が酸性かアルカリ性かによっても、比較的強い酸性やアルカリ性の環境でも働くことができるもの、中性に近い場所でないと働けないものなど様々です。
では、食材が発酵するとき、酵素はどのような働きをするのでしょうか。
麹菌は、自分の身体の外に酵素であるアミラーゼやプロテアーゼを分泌することができます。
そのため、麹菌が生えている麹には、麹菌が分泌したアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素がたくさん含まれています。