日本語には「つなげる」「はしょり」の習慣がない
これは、英語ネイティブたちはしゃべるときに音同士をつなげる習性があり、また発音しなくても相手に通じる場合は音をはしょるからです。
ですから、非ネイティブの人たちの英語が英語ネイティブに通じるのは、訛りがあっても、音同士の「つながり」と「はしょり」はカバーしているからなのです。
大人になってから英語を第二言語として覚えると母国語の訛りはどうしてもありますが、問題はそこではありません。
問題は、英語ネイティブがしゃべるときの音同士のつながりとはしょりが身についているかどうかという点です。
日本語の五十音はそれぞれはっきりと発音するぶつ切り発音で、音と音をつなげたりすることはありません。すべての音を発音して話さないといけないため、活舌が良い悪いがはっきりしていますよね。活舌が悪い人は、たとえば「させていただく」が言いづらいはずです。これは似たような音が連続で並ぶからです。
有名な話で、2012年ロンドンオリンピック柔道日本代表発表記者会見の際に「キログラム級」が「キョロ級」や「キロキョロッグッ、クラム級」になり、しまいには「キロ……チョロQ」になっていました。
このように、日本語はつなげることができないので、活舌が多少悪いとこのような事件が起きてしまいます。
「つなげる発音」がわからないから聞き取れない、話せない
一方、英語ネイティブが、活舌が悪いという話はあまり聞きません。どもる癖がある人の話はよく聞きますが、活舌の良し悪しが話題になることはあまりありません。これは英語では、音同士のつながりがあるからです。
つまり、英語ネイティブは実は舌足らずで、音同士をつなげながら、最初から自分たちが発音しやすいようにしゃべっているのです。
日本では、学校で英語を習うときに、先生が英語ネイティブのつながりを理解していない限り、生徒たちはぶつ切り発音で英語を学びます。そうしますと、せっかく中学校から大学まで英語を学んで一通りの単語や文法ができるようになっても、想像している音と英語ネイティブの話している音が違いすぎて、ネイティブと会話が出来なかったり、海外ドラマが聞き取れなかったりしてしまいます。