どうすれば英語は上達するのか。英会話講師で翻訳家の甲斐ナオミさんは「日本人が習う英語の発音方法は、ネイティブとかなり異なる。そのため、話しても伝わらず、聞き取りもできない。まずはネイティブの発音に慣れるために、聞こえるままにカタカナで書いて、それを読むようにするといい」という――。
非ネイティブの中でも伝わりにくい日本人の英語
「ホワット ドゥ ユー レコメンド」
海外のレストランで「何がおススメですか?」と聞くつもりでこのように尋ねると、おそらく店員さんの頭の上に「はてな」マークが3つほど付きそうです。単語は合っている、文法も合っている、でも伝わらない……。海外でこのような経験をされた日本人は多いはずです。
なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。答えはもちろん、「発音」ですよね。でも、一言で「発音」と言っても、そもそも「発音」とは何? という話になります。
考えてみてください。英語ネイティブではない外国人がネイティブの人と会話をしている光景を見たことがありますよね? 余談ですが、世界の英語人口の8割は英語を第二言語としている、いわゆる「非ネイティブ」なのです。その非ネイティブたちが難なくネイティブと英語で会話をしているということです。もちろん、会話のレベルはさまざまですが、コミュニケーションはとれているのです。これは彼らの発音が完璧だからでしょうか? いえ、そんなことはありません。皆さん、それぞれの国の訛りがあります。
たとえばですが、フランス語では「H」は発音しません。ですので、「Hello」が「エロ」となってしまいます。また、「How much is it?」(いくらですか?)も「アウマチズィッ」と、「How」の「H」が発音されません。でもネイティブには通じるのです。
すでにお気づきだと思いますが、「How much is it?」を英語になじみのない日本人が発音すると「ハウ マッチ イズ イット」となると思います。では、なぜ、「アウマチズィッ」は伝わるのに「ハウ マッチ イズ イット」は伝わりにくいのでしょうか。