テレビで重宝されるゲストは「安近短」

Q そうなると、話が長い人はテレビ番組ではやはり……。

A はい、敬遠されます。1回の質問に対して、2分以上話し続ける人は、やがて呼ばれなくなる傾向があります。テレビのディレクターに重宝されるゲストは「安近短」です。ギャラが安くて、自宅がスタジオから近くて、話が短い。

山川龍雄『「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう』(日経BP)

Q うわー、生々しい話ですね。自宅が近い人が好まれるのは、交通費が安く済むからですね。

A テレビ局が全盛期だった時代に比べれば、どこも世知辛くなっています。番組の中で、ゲストがZoomなどを使って中継で出演する場面が増えたと思いませんか。中継には番組として2つの利点があります。1つは遠隔地にお住まいだったり、海外出張中だったりする人でも気軽に出演してもらえること。

もう1つはコストの抑制です。わざわざスタジオに来ていただかなくても、これで十分番組が成り立つことに、コロナの経験を経て、各局が気づいたのです。

Q どこの局もシビアになっているのですね。

A 「短」、すなわち時間管理については、NHKはもっと厳しいと思います。民放に比べてリハーサルの回数が多く、残り時間を見ながら話すことが他局の番組よりも多いと聞きます。

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