※本稿は、山川龍雄『「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう』(日経BP)の一部を再編集したものです。
猫背、首が曲がっているとだらしなく映る
Q 山川さん自身が番組に出演する際に、見た目の印象で気を付けているところはありますか。
A 自戒を込めて申し上げられる教訓はたくさんあります。10年前、テレビの仕事を始めて最初のうちは、自分の出演番組を録画にとってよく「一人反省会」をやりました。まず、姿勢ですが、猫背で両方の肩の高さが同じではありませんでした。これはだらしなく映ります。首の角度も曲がっていることに気づきました。
Q 確かに、姿勢がピシッとしているかどうかでずいぶん印象は変わります。
A あとフリップやモニターを指す時に、手がゆらゆらと揺れていました。
Q 手先が動いていると落ち着きがないように映りますし、見る側は気が散りますね。
A それに情報番組などではたくさんモニター画面やフリップで図表を示す時がありますが、説明する内容と指すところが違ったりしていると、頭に入ってきません。今は、読む内容に合わせて、適切なところを指示棒で指すことを心がけています。
訃報を伝えた自分が「冷たい感じ」に映っていた
Q 話す時の表情についてはいかがですか。
A これはいまだに悩みの1つです。テレビ慣れしていない人は全般的にそうだと思いますが、私も表情が薄かった。前向きな話をしている時は明るい表情を、悲しい話を聞いている時は悲しい表情をするのが自然です。特にテレビでは表情は少し大げさなくらいがちょうどいい。
ある時、経営者の訃報を伝えるニュースについて解説する機会がありました。その経営者には取材でずいぶんお世話になったこともあり、本心からお悔やみを申し上げていたのですが、後で録画を見てみたら、悲しいというよりも、冷たい感じに映っていました。
Q 自分の思いが必ずしも表情と一致していなかったわけですね。