タワマンは「金融商品」として考えたほうがよい
私は時折、お客様からタワマン購入についての相談をいただきます。私のアドバイスは、一貫して「お買い求めになるのでしたら、数年で売却しましょう」です。なぜなら、タワマンは長く住み続ける住宅ではなく、「金融商品」と考えたほうがよいと思っているからです。
金融商品は買ったら、どこかで必ず売らねばなりません。投資の世界では、これを「EXIT(出口)」と言います。金融商品への投資は、買った価格、所持している間の運用益、売却(EXIT)した時の価格で決まります。タワマンを金融商品に置き換えると、タワマンを買う意味が鮮明になります。
私が訪ねた豊洲のマンションを例に考えてみましょう。数年前に分譲された時の販売価格は前述のように、平均の坪単価は450万円でした。現在売りに出されている中古販売価格を見ると、坪単価500万円~1000万円になっています。住戸面積にもよりますが、売却すれば数千万円~1億円以上の売却益が期待できます。
賃貸にすれば利回り3.5~4%が得られる
調べを進めるうちに、このタワマンのいくつかの住戸は、買ったオーナーによって賃貸に供されていることもわかりました。たとえば、もっとも狭い住戸は13坪(40m2強)で月額25万円程度(坪単価1万9000円)、上層階の広い住戸は32坪(100m2強)で同75万円程度(坪単価2万3000円)でした。
管理費(月額)は1m2あたり400円、修繕積立金が同100円ですから、両方合わせて狭い住戸で2万2000円、広い住戸で5万3000円くらいの負担になります。これらの費用(投資信託で言えば信託報酬のようなものです)を賃料から差し引いた利回りで見ると、狭い住戸で年間約4%程度、広い住戸で3.5%程度となります。ただし、この計算の前提は常に借り手がいる、つまり稼働していることが条件になります。