「ああではない」から、「いまこうである」と転換しよう
一方、②の考え方をする人は、現在の“受容度”が高い人です。総じて、こちらのほうが幸福度は高くなります。なぜなら、つらいときにフォーカスをより手前に引き戻すことができる人だからです。もう一度いいますが、未来など、どうなるかわかりませんし、心配ごとはほぼ100%現実にはならないのです。
「フォーカスを手前に引き戻す」という小技は、誰でもすぐにできる、最も簡単にして最強のテクニックです。
例えば、マラソン大会に向けて毎日ランニングを続けているとしましょう。努力が思うように実らないときでも、「なかなかタイムが伸びない」とがっかりする(=“いま”の状態を残念に思う)のではなく、いま、大会に向けて走っていること自体を楽しむべきです。健康な証拠ですし、何よりも体力ももっとつくのですからラッキーです。
言い換えると「ああではない」と嘆くのではなく、「いまこうである」を楽しむことが大事なのです。
子どもが何事も無邪気に楽しめるのは、どんな状況であろうと「いま」にフォーカスしているから。「ああではない」と別の「いま」をほしがったりはせず、「いま、こうである」を満喫しているからです。
つまり、置かれた状況で、何らかの面白味を発見しようとする姿勢が大事なのです。
「いまやりたくない仕事」はどうするか?
仕事の場合も同じです。どうしても気持ちの乗らない仕事もあるでしょう。自分にとっても、会社にとっても、何かしら意味があるとは思えないような仕事もあるものです(いわゆるブルシットジョブですね)。
可能なら、それを避ける方法を考えましょう。担当を誰かと代われないか掛け合うのも一つの方法でしょう。あなたにとっては、つらい仕事でも、同僚にとっては「いまやっている仕事よりはマシ」かもしれません。
そうであれば、喜んで代わってくれるでしょう。たしかに、そんなに都合よくいかないかもしれません。でもそれがきっかけで、もっとよいやり方を教えてもらったり、業務を見直そうという社内の機運につながったり、「え、それってやらなくていいやつだよ」ということがわかるかもしれません。
最もまずいのは、自分で「やらないといけない」と思い詰め、閉じこもってしまうことです。愚痴を聞いてもらうだけでもよいので、周りの人も巻き込んで、力を借りることは(あなたがストレスをためこまないためにも)重要です。
その上で、「どうしても避けられない」のなら、フォーカスをもっと手前に引き戻して楽しまなくては損です。「嫌だ」と思っていても始まりません。