高校受験の知識をつけておくことが大切

そのためには中学受験だけでなく、高校受験の知識もつけておく必要があります。高校受験を知ると、中学受験が絶対的に有利な進路というわけではないことを理解でき、わが子の中学受験をサポートするうえで心に余裕が生まれます。

西村創『中学受験のはじめ方』(KADOKAWA)

世に出回っている受験情報は、高校受験よりも中学受験と大学受験に偏っています。たとえば、中学受験の塾や大学受験の予備校の名前をいくつか挙げられる方は多いと思います。でも「高校受験の塾は?」と聞かれても、すぐには答えられない方が多いはずです。近年、高校受験よりも中学受験に価値があると考える人が増えているのは、高校受験よりも中学受験のほうが情報が多いからです。でも、世の中、絶対的に良いものなんてないですよね。

中学受験をする12歳前後はこれから思春期、急成長が始まる年齢です。高校受験で結果を出せる子もいるし、大学受験で結果を出せる子もいるのです。

大きく構えつつ、前向きにサポートする覚悟が必要

中学受験に臨むのであれば、あくまで中学受験は「特殊な世界」だという前提に立つ必要があります。実際に足を踏み入れると途中でやめさせるのは、これまでがんばってきたわが子への期待もあるし、塾での保護者のつながりもあるし」などと、なかなか難しい決断になりますが、長期的な視点を忘れずにいたいものです。

わが子を受験に向かわせるのであれば、親も情報収集に努めて知識をアップデートし、子どもが思うように勉強しなくても、成績が上がらなくても、大きく構えつつ、前向きにサポートをする覚悟が必要なのです。

■ 中学受験は想定している1.5倍ほどの費用がかかる。
■ 子どもの受験勉強中心の生活に切り替える覚悟が必要。
■ 第一志望に合格できるのは3人に1人以下。
■ 親子ともに精神面の負担も大きい。
■ いつでも方向転換できる選択肢があることを、家族で共有する。
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