消費税は消費した人が納める税金だが、消費者などが税務署に申告して消費税を納めるわけにはいかない。そこで商品を販売する側が商品の代金と消費税を受け取り、取引相手に代わって納税する、という仕組みになっているわけだ。言い換えれば、取引先から受け取った消費税は「預かった税金」であり、そのため、「仮受消費税」として会計処理するのである。
ただし、企業は部品を仕入れる際に50円の消費税を仮払いしており、その分を差し引くことになる。仮受消費税150円から仮払消費税50円を引いた100円が、企業が納めるべき消費税額となる。仕訳では、借方に「仮受消費税150円」、貸方に「仮払消費税50円」「未払消費税100円」、と記載する。
なお、設備投資をした場合など、仮払消費税が仮受消費税を上回る場合は差額が還付される。
前述した課税・非課税の問題については、財務省が海外からの配信についても消費税を課す方針を固めたと報道された。しかし、海外からの配信サービスについて日本の消費税を課すのは難しく、時には現地の課税当局の協力が必要と思われる。インターネットは目に見えない取引であり、リアルな商品取引に比べて捕捉が難しいという問題もあるだろう。
国内企業の中には税の不公平を解消する方策を求める声や、取引の規制を求める声が上がっているほか、楽天など、海外子会社などを通じた配信を検討する企業もある。
消費税率が上がれば、非課税のメリットはさらに強くなり、国内企業は歯が立たない。また海外からダウンロードするということは輸入取引であり、国内企業が得られたはずの収益が海外に流出することになる。
税務当局としては難しい舵取りを迫られそうだ。