友達はいたほうがいい。でも、それは人間でなくてもいい

次には、よい石を探しに川や山に行くようになるかもしれません。世の中には石好き、石愛好家はたくさんいます。石を置いてあるお店もあるかもしれません。

いまの時代なら、子どもたちのやるべきことはパソコンやスマホを買ってきて、インスタグラムか何かに老人が趣味の石を披露できる場をつくってあげることでしょう。愛好家の方々とつながれるかもしれません。

和田秀樹『100歳の超え方』(廣済堂出版)

よくひとり暮らしになった親を引き取ろうとする子どもさんがいますし、親孝行だと思います。親もひとりの不安から子との同居を選ぶこともあります。

しかし、その結果があまりよくないことが多いのはみなさんもよく耳にすることでしょう。長く別々に暮らしていると、親子でも生活のやり方や興味が違うのですれ違いが多くなります。

家族から年寄り扱いされると、ひとりでいるときより孤独感が増します。実際に高齢者の自殺には、独居の人より家族で暮らしている人のほうが多いのです。

ひとり暮らしになり、友もいなくなった。そんなとき、助けになるのは人間だけだとは限りません。何かをつくる、自分のことを書いてみる。その先にインターネットでつながってみる。まだまだできそうなことはたくさんあります。

人間の友達も大事ですが、自分のできそうなもの、好きなものも身近にこつこつ集めておくことも大事です。

関連記事
「脳トレはほぼ無意味だった」認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと【2022上半期BEST5】
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"
待合室を見るだけでわかる…医師・和田秀樹「高齢者が絶対に罹ってはいけない」医者を見抜く方法
人生50年時代に75歳の徳川家康を超える83歳まで生きた…貝原益軒が食事前に必ずしていた"健康長寿の儀式"
「もう65歳だから」と絶対口にしてはいけない…和田秀樹「実年齢より老け込んで見える人に共通する態度」