睡眠中に「痩せる」「代謝が上がる」を疑う

短時間睡眠とお肌の関係

短時間睡眠は、お肌の状態も良くなります。なぜなら、覚醒時間が長いほうが、代謝が向上するためです。

覚醒時の代謝量の平均は前日の睡眠時間によって変化しますが、7時間未満、7~9時間、9時間以上のグループに分けて代謝を測定したところ、睡眠時間が短いグループの方が優位に活動中の平均代謝量が向上しました。

代謝が低下してしまうと、ニキビや吹き出物といった肌荒れが起こりやすくなります。世の中では、睡眠不足だと代謝が落ちる、肌が荒れると言われていますが、冷静に観察していただければ、実際には全く逆の現象が発生しているのを確認できると思います。

睡眠前にスキンケアに時間をかける女性は数多くいらっしゃいますが、起きている間にスキンケアを行うのではなく、なぜ眠る前にスキンケアを行うのでしょうか?

眠る前にスキンケアをしなければ、肌のダメージ量が増えることを、実体験的にも理解しているからではないでしょうか。

睡眠中に痩せる、代謝が上がる……というのは甘美な言葉ではありますが、実際には真逆の現象が起こると考えていただいたほうが、むしろ活動中の自分の行動を改める、建設的な発想につながるのではないでしょうか。

芸能人やアイドルの肌がキレイな理由

全く別のベクトルで、睡眠中に肌が荒れる要因を挙げると、シーツや寝具の問題があります。

皆さんは毎日使っている枕のカバーやシーツは、どのくらいの頻度で新しいものと交換していますか?

おそらく、毎日取り替えているという人は少ないかと思います。

睡眠時は、寝汗をたっぷり含んだ枕を1日以上常温で放置して、その枕に顔をつけている時間……と考えると、睡眠時間が短いほうが、物理的にも肌にとっても有利と考えられます。

睡眠時間を短縮しない場合でも、お肌のためには、枕にタオルなどを巻いてタオルだけでも毎日交換することを推奨します。

堀大輔『「眠りをコントロールする」24の方法 うまくいく人の睡眠の法則』(総合法令出版)

睡眠時間が短いといわれる芸能人やアイドルの肌がキレイなのも、覚醒時間が長いことによって肌が活性化しているのではないかと考えています。

以上、さまざまな短時間睡眠のメリットや私が短時間睡眠を推奨する理由を簡潔に説明してきました。

健康的に眠気をコントロールできるのであれば、短時間睡眠のほうが、身体や脳が活性化し、活動時間が増えることからも人生に余裕が生まれます。

本書に書いていることが正しいかどうかを考える前に、ぜひあなたが今まで見聞きした9割以上の日本人が悩んでいる睡眠の情報こそ正しいのかを、今一度冷静に考えていただければ、さまざまな気づきを得られると思います。

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