慢性的に眠気を感じているとき、何をすればいいか。ショートスリーパーで睡眠研究家の堀大輔さんは「睡眠時間が長いことで、GABAなどの刺激の感度を下げるホルモンの影響を多く受け取ることになり、退屈の眠気が発生する。またダラダラした行動は、何かを命じられてやらされている感覚になったりするなど、受け身の眠気の発生にもつながる。ゲームをしているときなどに眠気がとれるのであれば、今の仕事に対して楽しみを見つけたり他人からの印象を良くする行動をするといい」という――。

※本稿は、堀大輔『「眠りをコントロールする」24の方法 うまくいく人の睡眠の法則』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

自宅でテレビゲームをする人
写真=iStock.com/gorodenkoff
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「他人からの印象を良くしよう」で眠気を抑制できる

頭がボンヤリして、はっきりと思考できない。そのように慢性的に眠気を感じる人はどうすればいいでしょうか。本稿ではいつも眠いときにやるべきアプローチについて解説していきます。

まず第一に、他人からの印象を良くすることが大切です。

「眠気に他人からの印象が関係あるのか?」と思うかもしれませんが、他人からの印象がいい行動は緊張感を伴うため、眠気を抑制できることが多いものです。

達人のような身体さばきや、普段から物音を立てないように気をつけている人が眠そうにしている姿は、あまり想像できないのではないでしょうか。

いつも眠いということは、いつも眠気の発生条件を満たしていることになります。

姿勢が悪いと血流や身体のバランスが悪くなり、身体の状態が整っているときよりも遥かに多くの眠気が発生します。

呼吸が浅いことも、体内の酸素が欠乏し、眠気が発生することに繋がります。

焦燥感も発生し、深い思慮や集中ができなくなります。

コロナウイルスが流行した以降、マスクによる呼気の能力低下や、呼吸の浅さから、イライラ(60%)、頭痛(53%)、集中力の低下(50%)、幸福感の低下(49%)、学校・幼稚園への行き渋り(44%)、倦怠けんたい感(42%)、学習障害(38%)、眠気・倦怠感(37%)といった形で悪影響が報告されています。

ダラダラした行動は、退屈の眠気につながったり、何かを命じられてやらされている感覚になったりするなど、受け身の眠気も発生します。速度が伴わないことで、活動も安定しづらくなります。

筋肉のバランスが悪いことで、使いやすい一部の筋肉に頼りすぎ、血流や姿勢が悪くなることで眠気が発生します。