DeNAから独立し、クックパッドに渡り…
みんなのウェディングは2008年にDeNAのサービスとしてリリースされた。
だが、他の部門に比べ収益性が低かったこともあり、サービスを休止しようということになった。
担当者が「では独立します」と事業を持って外に出ることにしたのである。みんなのウェディングが分社化された後、穐田が個人で株を取得した。ただし、独立した会社になったのはよかったものの、投資家たちから「独立はいいけれど、いったい、いつ上場するんだ」というプレッシャーがかった。DeNAの一担当者から社長になった人物はそれこそ夜も寝ずに頑張り、何とか上場にこぎつけることができた。
ところが、直後に不正が発覚した。ひとりを残して取締役が全員辞任してしまう。
それでも営業は続けてそれなりに頑張っていた。不正が発覚した翌年(2015)、結婚のような生活者のライフイベント領域への進出を考えていたクックパッドが投資をし、立て直しに精を出す。ところが、お家騒動の結果、料理、レシピと直接、関係のない会社に出資はしないことになり、穐田は2017年にクックパッドから個人でみんなのウェディングを買い取った。
プランニング、式場探し、ドレスの貸し出しまで
こうした経緯でみんなのウェディングは穐田が出資した会社のひとつになり、その後2018年、不動産サービスのオウチーノとの共同株式移転により、くふうカンパニーとなった。共同株式移転とは2社以上の既存企業(みんなのウェディングとオウチーノ)が共同で株式移転を行い、すべての発行株式を新設会社(くふうカンパニー)に取得させること。
さて、みんなのウェディングは理想の結婚式づくりをサポートするサイトだ。通常、結婚式は一生に一度(二度も三度もやる人はいる)である。その時だけの情報サービスであればユーザーは一度しか使わない。
そこで、情報提供だけでなく、結婚式のプランニングやウェディングドレスの販売、貸し出しもやることにした。また、式場探しも専業の式場にとどまらず、神社の集会所なども含めた場所探しまで行うことにした。
在庫を持ち、手間とコストはかかるけれど、それくらいしないとユーザー体験に責任を持てない。丁寧に、地味に、口コミを頼りに努力を続けているうちに、みんなのウェディングというサービスも含め結婚事業の業績は伸びていった。
ところが、コロナ禍になった。結婚式をしないカップルが増え、エニマリの業績はコロナ禍以前よりは下がってしまった。現在はAIを活用し、改善を進め、他のサービスとの差別化を図っている。