経営とは代表ではなく、ユーザーが導くもの
くふうカンパニーの事業はまだまだ増えていくだろう。何年たっても、困りごとが減ることはなく、新しく増えていくからだ。
個別に見ると、不動産情報だったり、デジタルチラシだったりと類似のことをやっている企業はある。だが、くふうカンパニーとは違う。普通の企業のテーマはユーザーの問題を解決することではない。利益を上げ、継続と成長に結びつける。それだけだ。
一方、穐田のテーマは経営はユーザーが教えてくれるということだ。ユーザーが好意を抱くような経営をしていれば会社は長く続く。オレがオレがの経営ではなく、ユーザーに導いてもらう経営だ。
くふうカンパニーはユーザーが指し示す方向へ進出すればいいのだから、時間とエネルギーとコストをかけて経営計画を考える必要はない。目で見て耳を澄ますだけだから効率がいい。
金融商品、介護、葬儀など、ユーザーが困っているサービスはいくつもある。そうした分野に進出し、割高な手数料を安くすればいい。インターネットとAIの技術を使えば人間がやらなくていいのだから、自然とコストダウンできる。穐田でなくとも誰がやってもできる仕事なのだけれど、ユーザーファーストの企業でなければ気づかない。
こうしてみると、クックパッドから追放されたおかげで、穐田はやりたいことができるようになった。迷惑をこうむるのは割高な手数料で食べている業界だろう。彼らにとって穐田が業界に参入してくるのは、野に放たれた虎が牙をむくようなことだから。