オオサンショウウオがハワイへ行ったケースも

海外に送られた動物も3%いる。

太田匡彦、北上田剛、鈴木彩子『岐路に立つ「動物園大国」 動物たちにとっての「幸せ」とは?』(現代書館)

札幌市のキリンがミャンマーへ、静岡市のレッサーパンダがカナダへ、広島市のオオサンショウウオがハワイへ行っている。

出ていった動物の中で最も多かったのはテンジクネズミ(モルモットなど)で、学校や子ども用の施設への譲渡が目立つ。このほか、ルーセットオオコウモリ、アカアシガメなどの爬虫はちゅう類、小型のサルなどペット需要のある動物は業者へ渡っていた。

繁殖目的での移動が多かったのは、レッサーパンダやカピバラなどだった。

対価の有無でみると、無償での譲渡が全体の47%。

「動物交換」が34%。

繁殖のために所有権を移さず貸し借りする「ブリーディングローン(BL)」関連が9%だった。

対価として金銭を得る「売却」も2%あった。

「生まれて間もない子ウシ」が家畜商に売却されるケースも

ちなみに、売却された動物で最も多かったのはイノシシ、次いでウシだった。

中には、生まれて間もない子ウシが、家畜商と呼ばれる業者に売却されるケースもあった。

ウシの乳搾り体験を行っているある動物園では、お乳を出すために定期的にウシを繁殖させているという。

生まれた子ウシは間もなく売却され、最終的には肉として食べられることになる。

畜産の普及啓蒙けいもう活動の一環として、質問があれば来場者にも伝えているといい、担当者は「家畜と野生動物は別のもの。私たちの食生活の足元に家畜がいるということを伝えていきたい」と話していた。

写真=iStock.com/gilaxia
最終的には肉として食べられることになる(※写真はイメージです)
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