「タバコ休憩」には明確なルール作りが必要
前述したように、タバコ休憩を休憩時間とみなすかどうかは、状況により判断が分かれ明確な線引きはできません。
ただ、法律で明確な線引きや罰則がないからといって、タバコ休憩の扱いをあいまいな状態のままにしておくことは危険です。
タバコ休憩への根本的な不満は「タバコを吸うこと」ではなく「社員間の労働時間に関する不公平」にありますので、以下のように明確かつ平等なルールを作成し、その回数や取り方などを明確にしておくことが大切です。
(1)非喫煙者にもタバコ休憩のような「休憩」を与える
非喫煙者にも喫煙者と同様の休憩を与えるという方法です。
社員の集中力を保ち効率を維持する目的で、例えば、午前と午後に10分ずつ「リフレッシュ休憩」を設けます。喫煙者も喫煙は「リフレッシュ休憩」中にしてもらい、それ以外の時間の喫煙は禁止してしまう、といった方法です。業務時間中に適度な休憩時間があったほうが、仕事がはかどり業務効率が上がることも期待できます。
(2)喫煙者には休憩を分割して取得してもらう
1時間以上の休憩を与えることは難しいという場合は、休憩を分割して取得してもらう方法があります。1時間のお昼休憩を午前中に10分、お昼時間に40分、午後に10分と分割取得してもらいます。そして喫煙は分割した休憩時間にしてもらいます。
ただし、あまりに細かく休憩を分割すると、心身の疲労の回復を目的とした休憩時間の趣旨に反しますので、十分に休息できる範囲での分割とし最低限の配慮を行うようにしましょう。
(3)タバコ休憩を「休憩時間」とみなし給与控除する
この方法は、前述したとおりタバコ休憩が「労働時間」にあたらない場合に可能な方法です。
喫煙所が離れた場所にあり、喫煙して戻ってくるまでに10分程度の時間を要するような場合に検討できます。その間、労働から完全に解放されることを保証し会社から指示を行わないようにしましょう。
タバコ休憩を「休憩時間」として給与控除するケースでも、その回数や頻度についてルールを定めルール違反が起こらないように周知しておくのが重要です。