ファンクショナル・アプローチ研究所
代表取締役社長 横田尚哉氏

一方、その忘年会の目的が「部長が自分の権威を示すため」で、親睦には有益とは思えなかったり、たとえ納得できる目的であっても、「飲み会ではなく昼食会で十分」という場合があります。このようなとき忘年会に出席するのは時間のムダです。消費的な時間の使い方となるので、出席を断ったほうがいいでしょう。

時間の質を高めるために欠かせないのが、スケジューリングです。とはいえ、作業の順番を決めたり、開始時刻を手帳に記入すれば、時間の質が自動的に高まるわけではありません。スケジューリングのファンクションは何か。

「確実性を高める」「効率性を高める」ためであり、究極的には「作業を助ける」ためです。予定を切り貼りするだけで、確実性や効率性というファンクションを満たさなければ意味がない。

カタチだけ整えても、時間ドロボー対策にはなりません。予定を組むときは、つねに確実性や効率性を意識する。それにより時間の質の低下を防ぐことができるのです。

ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役社長 横田尚哉(よこた・ひさや)
改善士。世界最大企業であるGE(ゼネラル・エレクトリック)の価値工学に基づく分析手法を取り入れて、総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、10年間でコスト縮減総額2000億円を実現させた。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的となっている。全国から取材や講演依頼が殺到し、コンサルティングサービスは約6カ月待ち。また、「形にとらわれるな、本質をとらえろ」というメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、業務改善にも功を奏することから「チームデザイン」の手法としても注目が高まっている。
(村上 敬=構成 葛西亜理沙=撮影 ファンクショナル・アプローチ研究所=図版提供)
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