高い給料をもらっていながら仕事をしない上司、業績を横取りする同僚……。あなたの職場にも、人の成果にタダ乗りする「フリーライダー」たちがいないだろうか。社会構造の変化とともに深刻化したこのテーマについて、2回続けてお届けする。

部下のヤル気を削ぐ“粘土層”上司が急増した背景とは

「うちの上司は、朝出社して、パソコンの前に座るとずっとネットをやっています。申し訳程度に事務仕事をしたと思ったら、自分のブログを更新してたり、ひどいときにはゲームをやってたりするんですよ。部下が仕事の相談に行けば粗さがしと否定ばかり。そのくせ自分では何もやらずに、周りがどんなに忙しくても、定時になるとさっさと帰っちゃう。勤続25年以上だから給料は部下よりもずっと高い。いやになりますよ」

ある広告代理店に勤める中堅社員(36歳)から聞いた言葉である。この方以外にも多くの社員から同じような「仕事をしない上司」「部下のヤル気を削ぐ上司」の報告を受けている。最近ではこの類の上司を「粘土層」と呼ぶそうだ。上に粘土のようにへばりついていて、はがれない。粘土なので風通しが悪く、コミュニケーションの障害になる。粘土なので重く固まっていて、新しいことにチャレンジしない。粘土なので見上げても暗く、希望は見えてこない。思いあたる人も多いのではないだろうか。