子ども用紙おむつブランドでシェア1位を誇る花王「メリーズ」。1枚あたり何銭という単位の価格競争にさらされるなか、工場長は、ボトム層から革新のアイデアを出させる訓練を繰り返す。

尊敬できるリーダーは、いつもニコニコしていた

<strong>花王ヒューマンヘルスケア SCMセンター長 兼 栃木工場長 山下博之</strong>●1959年、大阪府生まれ。85年広島大学大学院工学研究科博士課程前期を修了。同年花王入社。17年間「アタック」などの粉体プロセス等の研究開発に従事。生産技術部門の技術部長、酒田工場長を経て、2010年10月から現職。
花王ヒューマンヘルスケア SCMセンター長 兼 栃木工場長 山下博之●1959年、大阪府生まれ。85年広島大学大学院工学研究科博士課程前期を修了。同年花王入社。17年間「アタック」などの粉体プロセス等の研究開発に従事。生産技術部門の技術部長、酒田工場長を経て、2010年10月から現職。

中距離走ができそうな広々として清潔な空間に長大な機械群が横たわっている。人影はまばらだ。何十メートルも一直線に延びる機械の内部をのぞくと、白っぽいものが目で追えないほどの速さで移動していく。1分間に数百枚もの紙おむつが全自動で生産されているのだ。機械の運行を管理するのはわずか数名である。

ここは栃木県宇都宮市。駅から車で40分ほど内陸に入ったところに、生理用品「ロリエ」と紙おむつ「メリーズ」などのサニタリー商品を生産する栃木工場の敷地が広がっている。1975年、花王の6番目の工場として設立された。現在、生産に携わるのは500人。研究開発も含めると約1000人が所属している。さきほど見た数名は生産ラインの一つを担当しているにすぎないのだろう。交代勤務を計算に入れても、ラインの多さと工場の大きさが推察される。