下からの提案には、即決即行で対応していく

では、栃木工場では新米工場長である山下は、どのようにして全員が「知恵を絞る」仕組みを確立し、革新のスピードを上げていこうとしているのか。

会社の全体方針を受けて、工場の使命とビジョンを策定して、数値目標を明確にする。ここまでのトップダウンの仕事を終えたら、次は「ミドルアップ」だ。ミドルマネジメント層にプロジェクトごとのリーダーになってもらい、目標を決めて達成してもらう。ミドルが活性化すると、組織はある程度動き出す。

以上は、どこのリーダーでも実践していることだろう。問題はミドルの下にいるメンバー層に主体的に動いてもらうための仕組みづくりだ

「提案型のメンバーにすることが大切です。現場に顔を出したときに提案を募っていますよ。『設備の具合はどうや。どのへんで困ってんねん。今度、改善案をまとめて俺のところに持ってこんか』とね」

提案されたら、YESとNOをすぐに出す。よければ「いいな、やろう」と即実行を促す。「お金がかかりますけど」と言われても「かまへん。やれ」。提案内容が不十分ならば「ここをもういっぺん考え直せ」と指示。いずれにしても即決即行である。

先述の「現場での声かけ」は、体調チェックという守りの目的だけではなく、ボトムアップでメンバー層から提案を引き出すという攻めの目的を併せ持っているのだ。