不動産の不振が経済に波及する
中国の住宅販売も減少しているが、不動産価格が今後下がっていくという予想する人が多いからである。実際に、マンション価格は下落しており、それは不動産業界の不振と関連している。
企業の設備投資も拡大していない。対米関係の悪化などにより、輸出が伸びないのではないかという懸念があるからである。
また、政府によるインフラ投資も低迷している。その理由は不動産不況であり、地方政府による土地販売の収入が減って、投資の財源が減っている。
不動産業は中国のGDPの4分の1を占めているが、この業界の4〜6月期のGDPは、前年同期比マイナス1.2%である。
「恒大集団」「碧桂園」に続き「融創中国」も経営危機
不動産大手「恒大集団(エバーグランデ)」は48兆円もの負債を抱えているが、8月18日、ニューヨークの裁判所にアメリカ連邦破産法15条の適用を申請し、世界に大きな衝撃を与えた。
6月末時点で、恒大集団の債務超過額は13兆円に膨らんでおり、販売のめどがつかない開発用不動産は22兆円にもなる。
また、最大手の「碧桂園(カントリー・ガーデン)」は、8月30日、今年前半の最終利益が9800億円(489億人民元)の赤字に転落したことを発表した。
さらに、不動産大手の「融創中国(サナック)」も9月19日、ニューヨークで米連邦破産法の適用を申請した。同社は2021年と2022年に810億ドル(12兆円)の赤字を計上しており、負債総額は6月末時点で1兆元(約20兆円)にも上っている。