自分への「問いかけ」が無礼な言い方を回避する 

今回のケースでは、互いに信頼関係がまったくない中で、あたかもIさんに「チャンスを与えてあげている」と受け取られてしまうような、上から目線の印象を与えてしまっていたことが残念でなりません。

吉原珠央『絶対に後悔しない会話のルール』(集英社新書)

もし「薄謝となってしまい、誠に恐縮ではございますが、ぜひとも、ご経験豊富なI先生に講演について検討していただけましたら幸いです。お忙しいところ、大変恐れ入りますが、ご返信をよろしく、お願いいたします」というような問い合わせ内容であれば、その後のやり取りは、確実に変わっていったはずです。

また、受講料の用途(会場運営費など)も明らかにできれば、なお説得力が上がります。誰かに何かお願いするときには、「自分が相手の立場だったらどう思うだろう」「相手に失礼ではないだろうか」「どのような言葉であれば敬意が伝わるだろう」などと、自分への問いかけができれば、違和感を感じさせる無礼だと思われるような一言を回避することができるのです。

関連記事
「最近、どこに行きましたか?」と聞いてはいけない…プロの聞き手が使う「盛り上がる雑談」の絶対ルール
「今から行くから待ってろコラ!」電話のあと本当に来社したモンスタークレーマーを撃退した意外なひと言
「お母さん、ヒグマが私を食べている!」と電話で実況…人を襲わない熊が19歳女性をむさぼり食った恐ろしい理由
「ねえ、ラブホいかへん?」夜の街で家出少女に声をかけられた牧師はどう答えたか
「精神科医が見ればすぐにわかる」"毒親"ぶりが表れる診察室での"ある様子"