感染・喫煙・飲酒以外のリスク要因
さて、最初に述べたように、感染以外の日本人の主要ながんリスク因子は、能動喫煙および飲酒でしたね。喫煙と飲酒は、がん以外にもさまざまな病気の原因になりますので、たしなむとしたらリスクを承知しておくことが大切です。そして、できることなら摂取量を減らすようにしましょう。
そのほか、日本人のがんリスク要因としては、高塩分食品の摂取・野菜の摂取不足、運動不足、過体重などが知られています。科学的根拠に根ざしたがん予防ガイドライン「日本人のためのがん予防法(5+1)」では、これらの生活習慣に「感染」を加えた6つの要因を挙げ、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」に加えて「感染対策」をすすめています(※5)。
これらの要因についてすべて完璧に気をつけていても、がんになるときはなります。でも、がんになるリスクを下げることはできるでしょう。一つひとつの要因の影響は小さくても、積み重ねることで大きな違いが出ますから、可能な範囲内で気をつけることをおすすめします。読者のみなさんの、今後の健康維持の一助になれば幸いです。
※5 国立研究開発法人 国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防」