「関わりを持つ政治家への牽制」に過ぎない
このコメントが事実であれば、教団が破れかぶれになって後先を考えない行動をしてくる、とは考えにくい。むしろ、解散命令請求が出た後、日本の信者からの収奪を続ける方法を模索していると思われる。
つまり旧統一教会側が「解散命令請求と徹底的に戦う」としているのは、ある種のポーズであり、情報戦の一種、つまり関わりを持つ政治家への牽制なのだ。
それを踏まえると、政治家がわざわざリスクを冒して解散命令請求を止める理由はないと考えられる。だとすれば、解散命令請求はいずれ出されるに違いない。
被害者の声をつぶそうと個別に懐柔
旧統一教会はいま相当焦っている。私が把握している範囲でも、被害者の声をつぶそうと個別に懐柔したり、声をあげた2世たちへの攻撃をけしかけたりしている。
こうした旧統一教会に対して、政治家はずぶずぶの関係を続けて庇護するのではなく、徹底的に戦うべきであるのは言うまでもない。
日本の教団の実質的トップである方相逸の発言を取り上げたが、保守を標榜する政治家であれば、日本人を金づるとしか思っていないかのような教団の物言いに対して、激しく抗議すべきではないだろうか。
1970年代にアメリカで旧統一教会の問題が認識された際、議会は調査委員会を作って徹底的に調査し、その内容を「フレイザー報告書」にまとめた。日本の政治家も本来はこういう対応をすべきではないだろうか。
また、メディアはもっとこの問題を報じて、政治家に圧力をかけなければならない。メディアの追及に迫力が欠けていたことが、政治家に「逃げ得」を許し、旧統一教会による被害拡大の一端を担ってしまったことを、肝に銘じるべきだろう。