海外でもそのままの味で通用する
それにしてもなぜこれほどまでに長く売れ続けるのだろうか。
ドレッシングは個人の嗜好性が強く影響し、使い続けることで飽きが出るものだ。
「お客さまの意見を調べていると、『飽きない』、『一度他の商品を食べたけど、結局はまたいつものこのドレッシングに戻った』という声をいただきます」(林氏)
興味深いのは、中国、東南アジア、アメリカなど海外でもそのままの味で「おいしい」と受け入れられていることだ。現地の嗜好に合わせて味を変える必要がないのだという。
最近では、サラダのみならず、豚や魚、麺料理や豆腐の味付けや、鍋のツケダレなど、いろいろと相性がいいことが知られている。
性別、年齢、地域、料理に関係なく広く対応するため、「家庭に1本あると便利」と考える消費者は多いのだろう。
「回り道はムダではない」
ドレッシング界の絶対王者となっている「ごまドレ」。その生みの親である山本さんは現状をどう見ているのか。
「たくさんの回り道をして、私だけでなく、開発に関わるメンバー全員がさまざまな試行錯誤を繰り返しましたが、どの経験もムダではないんです。やはりそうした悪戦苦闘の日々から、目を見張るような新しい商品のアイデアが生まれるのだと思います。
現在『ごまドレ』が多くのお客さまに好評なことは大変うれしいです。ただ、われわれは、ユニークさを大切にし、今後も他社に追従されるような商品を生み出し続けていくんだというポリシーを常に持っていることが大切だと思います」