「参加なくして決意なし」という言葉があります。

人は参加し自ら一緒に決めたことに決意はできるものの、誰かが知らないところで決めたことに関しては決意できない、という意味です。

リーダーが1人で勝手に決めた目標に対して、メンバー全員へ「決意しろ」と迫ってもそれは土台無理なことなのです。そうではなく、目標を決める段階からメンバーを巻き込むこと。これでメンバーたちにやる気が起き、決意することができるようになるのです。

目標設定の手順を表したGROWモデルというものがあります。GとはGoal、目指す姿のこと。RはReality、現状。OはOption、方法論を指し、WはWill、意思を指します。つまり、GROWモデルとは、次のような手順で目標設定をしなさいというものです。

まずは目指す姿を描き、次に現状を確認し、そのギャップがどれくらいあるかをしっかり把握します。その上で、そのギャップを埋めるための方法論を考え1つ選びとる。そしてその方法論で目指す姿を達成するぞ、と最後に意思確認をするのです。

参加型とはこのGROWすべてのステップにメンバーを巻き込むこと。そうして初めてメンバーはリーダーと同じ高い意思を持てるのです。

しかし現実はその逆。ほとんどのリーダーはGROのすべてを自分1人で決めてしまい、最後のW=意思固めだけを求めるのです。

それではやる気になれません。ぜひメンバーを参加型で巻き込んでください。

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高い期待を受けるとそれに応えようと頑張る

「A先生、先生の学級のB君とC君。2人は知能テストの結果が抜群に高かったようです。そして、これから2人の成績は急速にグングン伸びるらしい。楽しみですね」

校長先生が担任のA先生を呼び出してこう告げました。それを聞いたA先生は2人の成績が伸びるに違いない、と信じ込みました。そして、そういう意識で2人に接していった結果、1年後に2人の成績は大幅に伸びたそうです。

この話にはオチがあります。実は校長先生がA先生に告げた知能テストの結果は嘘だったのです。つまり、B君もC君も急激に成績が伸びる可能性はなかった、ということ。B君とC君の2人は全校生徒の中から無作為に選ばれただけだったのです。

これはハーバード大学でローゼンタール教授により行われた、有名な二重の眼隠し実験と呼ばれる実話です。

つまり、A先生から「おまえは天才だ」という高い期待を受けたB君とC君は素質もないのに成績が伸びてしまった。

人は相手から高い期待を受けるとそれに応えようと頑張る。この実験結果から「ピグマリオン効果」と呼ばれる法則が導き出されたのです。

この結果を私たちは活かさなければなりません。