最初の一歩は超「スモールステップ」でいい

本書のテーマは、「リスクを冒してフリーランスになろう」ではなく、「生涯リスクを回避するために、フリーランスも経験しよう」です。もし今、安定した(と思える)職場に勤めているとしたら、何も最初から大股で「転職」「フリーランス化」といった大転換にチャレンジする必要はないのです。最初の一歩は、超「スモールステップ」でいい。

特別な下準備や大きな覚悟もいりません。気軽に始められる一歩で十分です。むしろ、いきなり独立や起業を目指すことは、さすがの私もお勧めしません。まずは気負わず「副業」から試してみてください。

もし、「副業」もちょっと……という様々な事情がある場合には、「ボランティア」から始めても構いません。本当はお金をもらってやってみるのが一番いいのですが、勤め先の事情もあるでしょう。私自身、最初に勤めた会社は「副業禁止」だったので、「ボランティア」として無給のお手伝いからスタートしました。

まずは試してみて、「思ったより面白かった」「やりがいがあった」「充実感を得た」と思えたら、次の一歩に進めばいいのです。

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「好きな仕事」に好きなだけ没頭できる

「好きなこと」って、いくらでも没頭できますよね。子ども時代、昆虫にハマった人なら、いくらでも野原で虫を追いかけて走り回っていたはずですし、読書好きな人は、いくらでも本を読み続けることができたはずです。

「好き」という感情は、人間の労力・時間・体力・気力を駆動する、とてつもないエネルギーになります。

ところが、「好き」を仕事にすると、困った事態も発生します。その「好きなこと」に寝食忘れて没頭するのが、法律で制限されるからです。

もちろんブラック企業は考えものですが、本人がある程度のグラデーションから選べるのが一番望ましいのではないでしょうか。

貪欲に「学びたい!」時期、短期間で「成果を出したい!」時期、学び直しに「挑戦したい!」時期、「家族との時間を優先したい!」時期など、いろいろありますよね。それらを自分で取捨選択できる人生こそ、まさに理想的ではないでしょうか。

最近では「ホワイト職場」を目指すあまり、上司が若手社員に遠慮しすぎて叱れず、若手は「学びにならない」と意欲低下につながっているという話も聞きます。「もっと鍛えてほしい」と若者が望んでいるのに、シニアやミドル層が遠慮してしまうという、逆の構図も浮かび上がっているのです。