長寿の3条件はすべて和食にあてはまる
前ページで肉のとりすぎに警鐘を鳴らしましたが、タンパク質はなくてはならない栄養素なのも確かです。しかしタンパク質は肉以外にも含まれています。たとえば植物由来のタンパク質である大豆などに豊富に含まれます。
健康長寿の条件は「低脂肪・適タンパク質・高食物繊維」です。これらの条件は、すべて和食にあてはまります。日本人は、豆類を多く食べてきました。大豆はまさに植物性タンパク質の宝庫です。
豆類にはビタミンB1、B2、B6、カリウムのほか、カルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルがバランスよく含まれています。
日本人に一番身近なのは大豆でしょう。
大豆そのものだけでなく、納豆、豆腐、味噌、しょうゆに至るまで、和食に欠かせない素材ばかりです。
女性と大豆イソフラボンの気になる関係
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た性質があり、ホルモンの減少が気になる女性にはおすすめだとされています。ただし大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという物質は、腸内にエクオール産生菌がないとつくり出すことができないといわれています。
また、国立がん研究センターが大豆イソフラボン摂取と乳がん発生率の関係を調べたところ、味噌汁の摂取が多いほど乳がんになりにくく、大豆イソフラボンの摂取量でみても、多くとっている人のほうが乳がんになりにくいという結果になりました。
がん予防には未解明の部分もありますが、健康効果は間違いなさそうです。
オリーブオイルは「健康に役立つ油」
近年、スーパーの油コーナーには実にさまざまな油が並んでいます。その中でもオリーブオイルは比較的早い時期から、健康に役立つ油だと考えられてきました。
それは1950年代から始まった国際的な研究で、ギリシャの人々が赤身肉などの高脂肪食を食べているにもかかわらず心臓病による死亡率が低いことで、地中海沿岸の食生活が注目されたからです。