体調の変化を知るにはどうすればいいか。「ウンチ博士」として知られる辨野腸内フローラ研究所の辨野義己理事長は「毎日のトイレタイムで必ずウンチの状態を観察してほしい。腸内環境がよい状態だとウンチは明るい黄土色から黄褐色だが、悪玉菌が多い状態になると黒ずんだ色になり、悪臭を放つようになる」という――。

※本稿は、辨野義己『最高の睡眠は腸活で手に入る』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

洋式トイレ
写真=iStock.com/Ratchat
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ウンチには大量の腸内細菌が含まれている

今日のウンチは何色か、どんな形状をしているか?

腸がどんな状態なのかを直に感じることができるのが、毎日のトイレタイムです。みなさんにウンチの中身を知っているかと尋ねると、ほとんどの人が「食べカス」と答えます。

実はウンチの80%は水分で、残りの20%のうち3分の2は腸内細菌とはがれた腸の粘液・粘膜です。つまり食べカスは、残りの3分の1にすぎません。腸内細菌は乾燥した大便1gに対して1兆個ほど存在しているはずです。

多くの人が、健康のために何をどう食べるかには気を使っていることでしょう。

しかし、毎日どんなウンチが出ているかまでちゃんと確認しているでしょうか?

ウンチなんて見たくないですか? あなたが自分で口に運んだものや体の一部が役目を終えて出てきているのに、どうして見たくないのでしょう。

最近の便器は自動で流れてしまうことも多いので、排便したらお尻をふいたトイレットペーパーをポイッと捨てる前に振り返る、つまり“見返り美人”になって今日のウンチを確かめてください。

観察を続けると「ウンチのデザイン」が可能に

「やけに色が悪い……」「あれ、今日は量が少ないな」「ずいぶんブツブツと切れている」「ツルリと長いのが出たな」

そんなふうに何か特徴があったら、一昨日に何を食べたか思い出してみましょう。

あるいは出なかった日には、なぜ出なかったのかを考えてみます。そうすると、あれを食べたらこんなウンチになるんだと気づくことがあるかもしれません。

それを繰り返すうちに、何をどう食べるとどんなウンチが出るかがわかってきて、自分のウンチをデザインできるようになります。食物繊維をたっぷりとった日は、食べカスが増える分、ウンチの量も増えるでしょう。それこそが腸からの声で、腸のご機嫌を確かめるにはそれを知るのが一番の方法です。

トイレとは便所、つまり腸からのお便りどころなのですから。