健康でいるためには、どんなことが必要なのか。医師の南雲吉則さんは「早寝早起きだ。特に早起きをすると、『体内時計』『交感神経』『幸せホルモン』の3つを活性化でき、いいことづくめだ」という――。(第3回)

※本稿は、南雲吉則『体を冷やせば健康になる』(光文社)の一部を再編集したものです。

目を覚ました後、ベッドで伸ばす幸せな女性。
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健康長寿を実現するミトコンドリアモードとは

私たちのあらゆる活動を支える主なエネルギーは、「ミトコンドリアモード」と「糖質モード」という2つの方法で産生されていることはお話ししました。

それぞれの特徴をもう一度おさらいします。

◎ミトコンドリアモード

ミトコンドリアを活性化することで、酸素と脂肪を燃焼し、持久力のある大量のエネルギーをつくり続けることができる。ただし、瞬発力はない。

◎糖質モード

細胞質で、酸素を使わずに糖質だけを分解してエネルギーを産生する。エネルギーを瞬発的に生み出すが、量は少なく、持久力がない。

どちらも私たちにとって必要なエネルギーの産生方法ですが、どちらをメインに動かしていくかは、その人の生活によって違ってきます。若々しさを保ったまま健康長寿を実現させるために選びたいのは、ミトコンドリアモードです。

ミトコンドリアモードで生きていると、酸素と一緒に脂肪もがんがん燃やしていけますし、細胞は若々しく、がんも防げます。また、詳しくは後述しますが、「若返り遺伝子」を働かせ、寿命を延ばしていくことも可能になります。つまり、若々しいまま健康長寿を実現できるのです。

ですから、私はいつも自分の行動には、こう問いかけます。「この行動は、ミトコンドリアモードか?」すると、これから起こす行動が、自らの健康長寿に必要なことか、不必要なことかが、はっきりと見えてきます。

ミトコンドリアモードのスイッチを入れるのは、「寒さ刺激」「空腹」「有酸素運動」「睡眠」の4つです。これらが適切に行われる行動は、体をミトコンドリアモードにします。このように、自らの行動に対して、「ミトコンドリアモードか?」と自問する習慣をまずは持つ。

それが若返りへの第一歩になります。