送料無料でも「水の宅配は有料」になりつつある

さて、そんなに価格差があったらウォーターサーバーなど普及するわけがないと思われるかもしれませんが、そうとも言えないところがこの話の面白いところです。私自身の体験談をお話ししましょう。

私は結構な量の天然水を毎日飲みます。子どもの頃から汗っかきでとにかく水分補給量が多い体質でした。そして子どもの頃に育った祖母の家は田舎にあって、山からひいてきた湧き水が水源でした。これが本当においしかった。そんなことから東京に出てきた20代の頃からずっとペットボトルの天然水を大量消費してきました。

その私は自宅とは別に職場として近所にワンルームの書斎を借りていて、週の半分はそこで仕事をしています。以前はASKULが運営するLOHACOでサントリーの天然水をその職場に宅配してもらっていました。2リットルのボトルが税込み143円とちょっと高いのですが、LOHACOでは3780円以上の注文で配送料が無料だったのでよく使っていたのです。ところが途中から天然水については特別配送料といって1箱ごとに330円の追加料金がかかるようになりました。

要するに水の配達は配送員が大変なのです。どんな商品でもそうですが、配送料無料とうたっていてもそこにはコストがかかります。重たくて安いものを運ぶのはどう考えても割に合わない。そこで「運んでほしいのであれば水に関しては配送料を払ってください」という方針に変わったわけです。

スーパーで重い水を買うのは合理的か

そこで計算してみたのですが、LOHACOでサントリーの天然水を買うと2リットル1本が180円になるのです。まあそれでいいかという話でもあるのですが、近所のスーパーだと同じ天然水が1本95円で売っているんですよね。それで私は朝、出勤する途中のスーパーで週3回ぐらいのペースで天然水を2本買って事務所に通うようになりました。

写真=iStock.com/freemixer
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この行動、「妥当じゃないか」と考える人と「ばかばかしい」と考える人に分かれるようです。出勤のついでに開店直後のスーパーに立ち寄って水を買うのに10分も時間はかかりません。合計4リットルで重たいのですが、重たい荷物は健康にもいい。何も損していないと思う人は「妥当じゃないか」派です。