未来の喜びにもフォーカスする

○ファンになってもらってYESを引き出すムービートーク

[トーク実例:和田ならこう話します]

【和田】「完成おめでとうございます。いや、本当にきれいになりましたね。私も感動でちょっと泣きそうです。これからも賃貸経営できますね。住まわれる方もとっても幸せですね。外観をご覧になってどうでしょうか?」

【お客さま】「いい感じに仕上がってると思います」

【和田】「よかった! ありがとうございます。ぐるっと一周回ってご覧になりましたか?」

【お客さま】「一周? あ、いえ、まだです」

【和田】「①私、さっき一周回ってみたんですけど、いろいろな角度から見ると本当にわくわくしますよね。道の向こうから見るとすごく目立ってて。自社でリフォームしておいてこんなことを言うのもナンですけど、本当に仕上がりがいいですね」

【お客さま】「ええ、そうですね。壁もきれいに塗っていただいて」

【和田】「はい! 入居者の方も『きれいな家に帰れるんだ』と思ってくださるので、嬉しいですよね」

写真=iStock.com/Masafumi_Nakanishi
※写真はイメージです

【お客さま】「ああ、確かに。そうなるといいですね」

【和田】「ゴミ捨て場も新しくなったんで、よりきれいに使っていただけると思います。入居者の方の生活もますます快適になります。ぜひ、入居者の方にも感想聞いてみたりしてみてくださいね」

【お客さま】「はい、聞いてみます」

【和田】「今回ちょっとご予算もかかってしまいましたが、外観がよくなると入居者の方の満足度がすごく上がりますので、長く住む人が増えると思います。弊社がリフォームさせていただいたマンションやアパートではよくそういったケースが見られます」

【お客さま】「そうなんですか?」

【和田】「はい。満足度が上がると、家賃のアップも考えられますので」

【お客さま】「確かにそうですね」

【和田】「はい。他にももっといいご提案ができますので、何かあったら小さなことでも構わないのでご相談ください。あ、今回気になったのが、鍵なんですよ」

【お客さま】「マンションのドアの鍵ですか?」

【和田】「はい。そろそろ老朽化してくるところかもしれないので、今すぐと言うことではありませんが、数年ごとに見ておいたほうがいいかと思います。いっぺんにいろいろな問題が発生すると大変ですからね」

【お客さま】「そうですね。気づきませんでした」

【和田】「鍵は1つだけ変えるより一気に変えたほうが、単価が安いですから。変えるなら全部の鍵をいっぺんに新しくするといいと思います」

【お客さま】「わかりました」

【和田】「今回は外壁と共有部のみでしたが、何かあったらすぐ駆けつけるので、よろしくお願いします。長く長く大事に使っていただいて。ずっと家賃収入があると安心ですからね」

【お客さま】「こちらこそよろしくお願いします」

【和田】「②あ、最後にいいですか。自信作のリフォームができたんで、マンションの前で一緒に写真を撮らせていただいてもいいですか?」

【お客さま】「えっ?」

【和田】「はい、私にとってもすごく嬉しい日なんです。記念にしたいんです。ありがとうございます」

[解説]

出来上がったリフォーム物件に対して、営業サイドが自分ごとのように感動している会話です。

①私、さっき一周回ってみたんですけど、いろいろな角度から見ると本当にわくわくしますよね。道の向こうから見るとすごく目立ってて。自社でリフォームしておいてこんなことを言うのもナンですけど、本当に仕上がりがいいですね

和田裕美、佐藤尚之『ファンに愛され、売れ続ける秘訣 新しいセールスのカタチ』(かんき出版)

②あ、最後にいいですか。自信作のリフォームができたので、マンションの前で一緒に写真を撮らせていただいてもいいですか?

担当営業の「ああ、きれいにできてよかった~」という安堵と感動の心の声が漏れ出てきそうなくらいに嬉しそうな態度です。それを見れば発注したお客さまも同じような感情になり共感が生まれます。

また、建物がきれいになったことで派生する未来の喜びにもフォーカスして、よりお客さまがハッピーな気持ちになるような言葉を選んでいます。

いかがでしょう。お客様のワクワクを生み出し、ファンになっていただける「ムービートーク」、ご参考になれば幸いです。

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