ファンづくりの意識が持てないケース

[相談&トーク説明]

カーディーラーで働く男性からの相談。

今までファンづくりをあまり意識したことがありませんでした。ご購入を決断していただくとホッとして、すべて終わった気持ちになってしまうんです。

お客さまにとって買った瞬間がスタートということですが、納期のことや保険などの細かな内容を説明するだけで、今は終わっています。お客さまがもっと幸せになるためには、いったいどんな言葉をかけたらいいのか教えてください。

×やってしまいがちなトーク[失敗編]

【営業】「本日はお買い上げ誠にありがとうございました」

【お客さま】「はい、ありがとうございます」

【営業】「納車は2週間後になります。保険などについては先ほどご説明した通りです。後日資料が届きますのでご確認くださいませ」

【お客さま】「はい、わかりました」

【営業】「納車が楽しみですね。他に何かご質問ございますか?」

【お客さま】「あ、はい、たぶん大丈夫です」

【営業】「もし何か、わからないことがございましたら、いつでもご連絡ください」

【お客さま】「はい、ありがとうございます」

[解説]

まったく問題のない対応ですが、ここにプラスして「もっとわくわく」できる未来をイメージしてもらいたいです。ちょっとムービートークをつくってみますね。

未来をイメージさせワクワクを引き出す

○ファンになってもらってYESを引き出すムービートーク

[トーク実例:和田ならこう話します]

【和田】「納車は2週間後になります。○○さまがいらっしゃる日を、私、お待ち申し上げておりますね。その日には今日決めてもらったオプション……、たとえばミラーの色とか、先ほど決めてもらったシートのこういうのが全部できてるんですよ。

さっきはモニターで見てもらったんですけど、実際に完成する日が楽しみですよね。私もどんなふうに仕上がるのか、できれば納車の日、ちょっとだけ助手席に乗せてもらっていいですか」

【お客さま】「えっ……、ああ、もちろんいいですけど」

【和田】「いや、まあそれは半分冗談です。今のは脇に置いておきまして、○○さま、納車の日の後、一番最初にどこに乗りに行きます?」

【お客さま】「え? 特には……」

【和田】「○○さま、ワンちゃんを飼っていらっしゃるとおっしゃっていましたよね。私も犬を飼っていますが、①ワンちゃんと一緒にドライブなんて考えておられます?」

【お客さま】「ええ。うちの子をちょっと遠くの公園とか海とかに連れて行ってあげたいんですよ」

【和田】「そうですよね! でしたら犬用のベッドを後部座席に置くといいと思います。最初は怖がるワンちゃんもいますけど、ご主人さまと広い公園や自然たっぷりの場所に一緒に出かけられたら喜びますね」

【お客さま】「そうですよね」

【和田】「犬好きのお客さまがいるんですが、○○公園なんかはすごくいいって言ってましたね。ドッグランもあるみたいですよ。あ、私、ワンちゃん連れで入れるカフェや公園を以前に調べたことがあるので、そのマップ、つけておきますね」

市のコンセプトの開発
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

~前の例はワンちゃんですが、小さなお子さまがいるお客さまでしたら~

【和田】「そうそう、他のお客さまでこの車を買われた方で、お子さまが1歳、ちょうど○○さまのお子さまと同じぐらいですよね。その方が写真を送ってくださったのですが、こんなふうに(写真を見せながら)乗せてたんですよ。かわいくないですか? このチャイルドシート」

【お客さま】「あ、ほんとだ。いいですね。うち、これからチャイルドシート買うんですよ」

【和田】「そうですか。でしたらそのお客さまに聞いて、パンフレットを取り寄せるぐらいならできますので、もし興味があったら言ってくださいね。私はこのチャイルドシートの会社の者ではないので割引などはできませんが」

【お客さま】「アハハ。ありがとうございます」

[解説]

それぞれの未来をイメージしてみることでさらなる「わくわく」が生まれます。

①ワンちゃんと一緒にドライブなんて考えておられます?

車を購入されたけれど、そこにある付加価値をさらに感じてもらえると、お客さまの幸せ度が上がります。