Mリーグが成熟することで麻雀プロの社会的価値も上がる

――麻雀界を支える大きな存在に、今や2000人以上いると言われている麻雀プロの存在があります。その中のごく一部であるMリーガーは年俸という形で収入が保証されるようになっていますが、それ以外の麻雀プロの中には、麻雀店で打つ麻雀の結果が収入を左右する働き方をしている人も少なくはありません。

それは難しい問題で、どうすべきか答えられないというのが正直な答えです。たとえば、麻雀業界において我々が直接雇用を生み出せるかと言えば、限界はあります。とはいえ、Mリーグが成熟していくことでスポンサーが増えるなどしてお金がまわるようになっていけば、最終的には麻雀プロという職業全体のベースアップみたいなことも図れる可能性があると考えています。

ただ、そのために大事なのは、金銭面を含めてトップ選手たちが憧れられる存在であること。「1億円プレーヤー」などとは軽々しく言えませんが、まずはMリーグのビジネスを大きくすることによってMリーガーの給与水準を上げるとともに、その世界を維持し続けるのが我々の目指すべきことだと思いますし、逆にそれしかできることはないのかなと思います。

撮影=プレジデントオンライン編集部
塚本泰隆さん

麻雀荘には子供が入れず、若年層への普及が課題

――近年の麻雀人気は子供たちにも波及しています。一方、現在の「風俗営業適正化法(風営法)」では、18歳未満が麻雀店に立ち入ることは法律で禁じられています。麻雀界でも実情に即していないとして課題となっている風営法ですが、Mリーグとしてこの問題に取り組めることはあるのでしょうか。

Mリーグは若年層への麻雀普及活動にも熱心に取り組んでいます。2022年8月にはMリーグ機構が主催して「夏休み小学生麻雀大会」を東京の朝日新聞本社で行うなど、さまざまな取り組みによって、多くの子供たちに麻雀の楽しさをお伝えできていると思います。

風営法については非常に難しいところがありますが、何とかしなくてはいけない問題であることは、我々も認識しています。Mリーグや麻雀界の将来を考えたとき、若年層への普及というのは大きなテーマの一つとなるわけですが、現在の法律においては子供たちを麻雀店に入れることができず、そこが一つのネックになっているわけです。現状では具体的なアクションを起こせているわけではないのですが、Mリーグチェアマンである藤田(晋)もその課題は認識しています。