「人が捨てたものに価値を見いだし、ビジネスのタネに」。コロナ禍でブームになっているキャンプ場の仕掛人に注目が集まっている。「ヴィレッジインク」社長、橋村和徳氏(49)は過疎地、耕作放棄地、廃校、無人駅などを利活用して命を吹き込み、非日常感を演出。自治体や企業を巻き込み、利益を生み続ける活動のキモとは何か――。
橋村氏近影。夏場は大概このようなスタイル。
写真提供=本人
橋村氏近影。夏場はこのようなスタイル。

儲からない業界で毎年きっちり儲けている社長の頭の中

日本オートキャンプ協会「オートキャンプ白書2022」によれば、2021年のオートキャンプ人口は前年比23%増だ。増えているのは芸人・ユーチューバーのヒロシの影響を受けたソロキャンパー、また女子キャンパーも。

そうしたコロナ禍でのキャンプ人口の追い風を受け、まるで雨後のタケノコのようにできているのが新規のキャンプ場やグランピング場だ。

事業者としては、田舎で遊んでいる土地があれば、比較的簡単に経営できそうだと気軽に参入するケースも目立つが、現実はレッドオーシャン状態だ。

「普通の経営をしていても、決して儲かる業界ではありません」

そう語るのは、コンスタントに20%超えの利益率を誇る静岡県下田市に本社がある「ヴィレッジインク」社長、橋村和徳氏(49)。人気維持のコツは何なのか。