スポーツ中継を参考に「麻雀を知らない層」の開拓に成功

――Mリーグ以前、麻雀番組の視聴者はコアなファンが大半でした。一方でMリーグ開幕以降には、自分では麻雀を打たない「見る雀」と呼ばれる人たちの存在が注目されています。

塚本泰隆さん
塚本泰隆さん(撮影=プレジデントオンライン編集部)

Mリーグでは選手が独自のユニホームを身にまとって戦うほか、さまざまなスポーツの演出を参考にするなどして番組自体をスタイリッシュに演出し、初心者にも分かりやすいような番組作りをしてきました。その結果、開幕初年度後の2019年に行われたアンケート調査では、Mリーグ視聴経験のある500万人のうち、実に300万人が非プレーヤーという数字が出ていました。

また、ABEMAのデータなどを見ても、Mリーグの視聴者はどの層の数字も満遍なく増えていますし、その中には10代の女性層なども含まれていて、非常に幅広い層にリーチできていると思います。これまでの麻雀を楽しむコア層はM2(35~49歳の男性)・M3(50歳以上の男性)くらいの方だったと思いますけど、M1層(20~34歳の男性)の伸び率も非常にいいですし、従来のファン層以外の方々にまでしっかりと訴求できているというのは、数字を見て感じます。

Mリーグをきっかけに麻雀を始める人が多い

また、「見る雀」から実際に麻雀を楽しむ人も確実に増えており、我々のところにも「Mリーグを見て麻雀を始めた」という人の声が届いています。直接意見をいただいたこともあれば、選手からそのような話を聞くこともありますし、麻雀プロ団体の試験でも、Mリーグを見てプロを志したという人がたくさん増えているそうです。

今ではオンライン麻雀で気軽に麻雀が楽しめるようになっていますし、MリーガーやVTuberなどがYouTube配信などで麻雀の楽しさを伝えてくれていて、麻雀に興味を持ってもらえるタッチポイントがすごく増えています。Mリーガーの大会に参加したことがきっかけで麻雀にハマったという人の話も聞きますし、選手をはじめ、Mリーグに関わる人たちがそれぞれに、Mリーグのテーマである「この熱狂を外へ」を実践してくださっていて、その結果が今の数字やファンのみなさんの反応に表れているのではないでしょうか。